ぼくは、/みい
 
ていて
ヘルメットをかぶったおじさんと警官がけんかしていた
だんだん近くなる救急車のサイレンを聞いた

帰り道に歯医者に寄って
あのすこしずつ頭に血がたまっていく感じと
チュウィーンという音が
やっぱり眠たかった
あーん、てしてとか言われるたびに
あーん、としながら
半分だけ眠っていて
きみのゆめを見た

あーまたふつふつとつぶやいている。
きみはぼくのことを
他人ごとのようにあたしを見る、というけど
なにがちがうのかわからないんだ
きみを見ていると悲しくなったり
恋しくなったりして、それでも
ぼくはなんにもなかったように、気付けば 誰にでもわらっていて
父さん、こういうのが男だってことなのかなぁ


とくべつ真っ赤なキスマークを
きみのどこかにつけるとき
これだけは自分のためだと思った
そんなときぼくはどうしようもないほどひとりよがりで
きみにごめん、と言ってしまう

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