ゆるやかにいきる/竹節一二三
 

そしてまた しろいマフラーの
つづきをあむ
時折くろい毛をまじえながら
まっすぐにあみつづける

たくさん息をふきだして
ながいマフラーをあみつかれて
とても疲れてベッドでやすんでいると
ゆるやかに空が雲におおわれて
くらくなった
見上げるとひつじたちがしろくろ入り乱れて
ひとつにとけこんでいる
わたしのマフラーみたい と
マフラーをからだにまきつけて
わたしは眠ることにした


いま雨がふっているのは
わたしがふきだした雲のせいかな
つめたい雨にこごえながら
しょぼしょぼと わらう
ひつじたちは夜にくろく染まり
あすの朝にはまたしろくろに戻っていることだろう
それまでわたしは朝の色をしたマフラーに
くるまり目を閉じた
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