銀色のコップ/チャオ
無口な金持ち。支配されることを好むガードレール嬢。
公にさらされた意味は、それらの確たる場所に落ち着くだろう。それらはすでに「在った」存在となり、経験不可能な実体となる。似たものが次の瞬間も体験される。だが、それは似てるに過ぎないもの。
目の前に置かれた銀色のコップ。水滴が机の上に落ちる。暑さに耐えたからだから汗が吹き出る。反射された自分自身の体。アイスコーヒーのこげた匂いが鼻に付く。すっかりと冷え切った銀色のコップ。
未来と今をつなぐ、銀色のコップ。次はどうなるのか。昔はどうだったのか。じめっとした薄暗い、窓の無い小さな部屋で、可能な限り表現してはくれないだろうか
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