シノギ/捨て彦
全開で開いてて、世間思いっきり覗いてたやん。ええ。あひゃぁ。うわー。恥ずかしいわぁ。うわぁ、マ、マサももっと早ようにゆうてえよぅ。もー。僕全然知らんとチャック全開君のまま事務所から歩いてたやんッ。ものっそいメンチ切って頑張って歩いてたやんッ。ええ、アラー。うわぁ。僕ものっそい恥ずかしいッ。僕ものっそい恥ずかしいワァ」
「さっきから小学生とかがジロジロ見て笑てるのに、兄貴全然気付きまへんのやで、ほんまに。人が気ぃきかして無言で伝えようとしてたのに。あんた全然気付かんと歩いてなはんねん。ねえ、さっきから目線で教えてあげてたでしょうが。ほんま、あんたは口でゆうたげなわからへんねんから」
「あ、あ、う
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