シノギ/捨て彦
うんか。」
「いやいや、それはあきまへんわ。なんちゅうたかて、骨董品で、値打ちモンやさかい。」
「きゃあ。くそ親父。ワシの弱みにつけこみよってからに。・・・・・・しゃあないな、なんぼや」
「100万くらいで・・・」
「高ッ。100かッ」
「おのれ調子に乗ってたらしばく・・・」
「なんや」
「す、すんまへん・・・」
「まぁ。マサ。落ち着け」
「あ、兄貴、ま、まさかこんなモンに100万も出すつもりやないでしょうねッ。」
「ほやからな、落ち着けて、マサ。なぁ。ええ。あのな、マサ。ワシらな、ワシらの商売ってな、なんやねん。ええ。いっぺん思い出してみいマサ。ワシらの商売っちゅうのはなんや。」
「え。ヤ、ヤクザですけど・・」
「そうや。ヤクザや。」
「そ、それがどないしたんで。」
「なあ。ワイらヤクザやなぁ」
「へえ。」
「ほやからな、言い値(インネン)つけられたら買わんならん。」
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