シノギ/捨て彦
とんねん。アァ。ええ加減にせなな、いくら兄貴やゆうたかてな、ワシ怒るでッ。ええッ。おのれエエ加減にしとけよッ」
「・・・。・・・・なんや、ワレ。・・・ちょっと黙っとれや、マサ」
「あひゃあッ。う、ううぅ、こ、こえー。夢中になってる時を邪魔された兄貴こえーッ。マジかよぉ。あんな恐ろしい兄貴の顔初めてみたよぉ。鬼神のような顔やったよぉ・・。なんやろ。あぁ。なんか指の震えが止まらん。ううぅ・・。な、なんやこの気持ち・・。なんやこの気持ちは。今まで味わったことのない、初めて味わうこの気持ちは・・・。まさか、これが、これが恐怖ッてゆう気持ちなのかしら・・・」
「ほいでね、ここに玉入れたらァ」
「いや
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