そらへ/竹節一二三
 
るら るるら るらら
鼻歌を歌いながら
自転車で駆ける

くすのきの下を
年中赤いかえでを飛び越えて
るらら りりり
きちきちばったをかごに乗せ
あおすじあげはは耳元に
るるる らら
かぜはあおく つんとする

川面を揺らし
私と駆ける
夏のあおさは
枯れよりつよい

あるくより軽く
走るよりかろやかに
鳥のように

ひらめく鞄には
あめちゃんがひとつ
峠を越えて
海の見える場所へ

るるら るら
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