書く動力 8/Dr.Jaco
を越えられないから語っているのである。
幸いにもリストラに遭うこともなく日々ある程度は楽しく仕事をし、帰れば暖かい風
呂と食事と「お帰りなさい」が待っていて、何でこんなことに関心を持ち続けるのだ
ろう。受験勉強している頃は、間違いなくこの関心は、逃避の対象だと思っていた。
実際、詩(と当時自分で思っていたもの)を書いている時の熱狂や充実感は、山川の
日本史教科書の暗記を中断させた。私は、私が知りたいものはホントは無くて、ただ
逃げ込んだ洞窟に潜む幽霊のようなものではないかと疑心暗鬼になったこともあった。
ひょっとしたら、今の仕事がホントはイヤなのかも知れない、という疑念もあるが、
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