団欒/ならぢゅん(矮猫亭)
 
 うちのテレビは壊れているのだ。きっとそうだ。そうでなければ毎日こんなに人の死ぬところばかり映るはずがない。たとえば今朝のニュース。黄色く乾いた土の上に八人の男が正座させられていた。その後ろには黒づくめが一人、覆面の穴からのぞく眼は無表情で男か女かも判らない。ふいに三日月刀を振り上げると男たちの首をはねてゆく。そのたびに頚動脈から吹き出した血が作りものめいた青空に向かってうち上がる。次々に高々とうち上がる。だが七つめの血柱は勢いあまって仰向けに倒れシャーシャーいいながら回転した。まるで大きな鼠花火。噴射された血がブラウン管を濡らし時報が見えなくなる。慌ててティッシュをこすりつけても内側から汚れたも
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