小箱のなかで(二)/
青色銀河団
光に濡れた
うつくしい響きのガラスの果物は
紙の野原で
練習帳をひらきます
朝のラインにそって
風をまなぶための
一冊の文法のノート
(それは小箱のなかのうつくしい霧の朝)
むかし雨の日に
海まで歩きました
一冊の文法のノートを携えて
(潮はどこまでもどこまでもあおく満ちていきました)
風が止みました
音の郵便は
誰もいない蛍光ランプまで
もう届きません
美しいひびきは
たしかに
母に似ていたようです
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