そらみみ/かぜきり
とぷん
となにかが水に落ち込む音がした
水気といえば
今しがた通り過ぎた水溜りしかない
ふりむくとそこには水溜りがあるだけで
あおいみずたまり
にちゃけた泥にたまった水であろうか
雨空のすきま 青い空の瞬間を
そのまま反射して
はかなく青い
ぬちゃぬちゃと
水溜りの淵まで歩みを戻す
足跡は同じ大きさのものだけで
ほかになく
ただ平らに空ががゆれているだけ
まわりはに木もなく けものもおらず
はて なんとなく気色が悪い
自分が映っているからであろうか
水溜りのそこが見えないからであろう
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