朝 わたる/砂木
 



り りく 

蝶 の 足は
おもくなり

つかまっていた 草葉
そっと 目を 開ける

大きな杉の木 のてっぺん
見る間に越えて

生まれたすべてを かけて
のぼりつめる ちいさな蝶

こぼれる波しぶきのように 白い

ふさわしいのは
悲しみでは ない


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