小説の習作 原稿用紙三頁 #12/田中教平
 
して妻は受けつけぬ事がわかった。絶望した。
 妻のカナは、適頃にユウスケの書いた原稿にすっと目を通すと、彼に向かって、「時間」についての問題を投げかけた、彼の小説は時間が弛緩していた、それから事件が無いので読ませない、と批評した。中っていた。文章の「価値」について底上げしなければならないと言った。ここまで来ると、もう彼にはお手上げだった。

 ユウスケはなんでもよくなって、早めに風呂に入ったのだが、先に述べられた事を反芻した。批評がなかなか頭から離れなかった。
しかし、文章内容の方向性について否定的に言われたわけではなかった。
 彼はカナ、彼女との日々を書いていた。胃痛について書いていた
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