小説の習作 原稿用紙三頁 #11/田中教平
グルグル回すと、本棚を中心に書斎を片づける事にした。
周囲に灯りをつけている家が無かったので、この家の書斎だけ煌々と明るんでいた。ともかくユウスケは片づけに取り掛かった。
年始からつけていた日記帳があった。本日、二月二十三日であるのに、二月十五日で止まっていた。
山頭火全句集があった。山頭火は書いている。
──誰が悪いというのではない。誰が悪いといえば皆が悪いのだ。
その言葉は彼を癒やさなかった。寧ろ、その言葉の冷酷さにぐうの音もでないと思ったし、ユウスケ自身は自身を悪人だと思っていたが、更にその自覚が増した。
「南無阿弥陀仏」
そう、諳んじて、片づけを続けた。
雨の
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