天使に非ず/
 
うしてもなんでも聞き返せなかった。ただ、それが彼女の中で始まったラブストーリーの筋書きの一つなのだ、と納得しただけだった。俺は翼が無いことによる疎外感を強く持ち、不安神経症を患っていた。正直に言って彼女の気持ちを持て余してしまうほどそれは酷く重く、俺の心を苛んだ。

彼女みたいに、飛べたら良かったのに。

俺は生まれて初めて、憧れを抱いた。全ての翼ある者に嫉妬した。俺に翼を与えなかった全てを憎んだ。風呂にも入らなくなり、外出に怯え、一人でずっと何かを考え込んでいる時間がますます増えた。夢の中で俺は青空を見ていた。自分を受け入れてくれる神の姿さえ見えた。そして、起きると絶望に震える。俺、どう
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