洗濯機/伊藤透雪
洗濯機が開かない
開けようとすると
ダメだという
今の賃貸に暮らし始めた
戦友だもんな
おつかれさん
仕方がないから
コインランドリーで
入れて洗うだけなのに
恋人を待つように
じっとチェアに座ってる
乾燥機が
いらっしゃいませと言い
浮気をする後ろめたさ
今はアプリで携帯払い
ますます哀しい
ふんわり乾燥
君はふんわりしているのか
引き伸ばして叩いてた
昨日を思うと
買うというのはな
何も言わず終わりだけを
ぶっきらぼうに言っていた
戦友がひどく懐かしい
自転車を漕いで
家に帰らなくてはならない
転ばないように
回転するハンドルに
必死に掴まり
やれやれペダルが鳴る
おっかない足取りで
戦友よ
共に生活した方が
楽だったと
今更背を叩く
戻る 編 削 Point(7)