凄いぞ!無印良品 『あうろら』あらい/室町 礼
く、質感の変化として読むと容易でしょう。詩の中で「わ
たし」がどこにいるのかは固定されず、むしろ場面のほう
が主体を包み込むように変化していくのだとみることもで
きます。
書き手は「パイプ椅子」ごと落下して、そういう母の残像
が流れる感傷の「潮流」のなかにいるのです。ここまでい
えば次のニ行、
破損データ、の、ページをくだる旅
鵺の薄皮もゆっくり脈打ち
も容易に了解できます。文字通り「破損データ」(忘れ
られ記憶があいまいに歪んで破損した内的宇宙)をめぐ
る旅という表現が次の行へ転位しています。この比喩と
しての転位は「鵺の薄皮」(何者とも知れない、複
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)