ショート・カット/ホロウ・シカエルボク
アベニューに面した年代物の古いビル群の一角じゃ投身自殺が相次いでいるらしい、拾ったニュースペーパーに書いてあった記事の中で読み物と呼べるのはそれくらいだった、人間一人丸めて捨てられそうな巨大なゴミ箱にそれを投げ、交差点で信号を待っているとどこかの店内放送で懐かしい曲が流れているのが聞こえた、曲名を思い出そうとしてはみたけれど信号が早く渡ってくれと急かすものだからメロディーがどこかへ行ってしまった、ヒット・ソングはあの頃と同じように響きはしない、誰かの墓の前で懸命に話し続けるみたいな虚しさがある、それが華やかなりし時代の記憶だったりしたら、尚更さ、耳の中ではジミヘンが永遠に続きそうなギターソロを
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