凄いぞ!TOP10 「立春前」本田憲嵩/室町 礼
 
できるが、それは「天気の話」に近いレベルでの共感であって、
歴史的・社会的な次元にまで開かれていない。
冬は「冷酷な素顔」と形容されるが、それは自然の厳しさとしての冬な
のか、社会の冷酷さの比喩なのか、歴史的な時間の残酷さなのか──
そこが曖昧なまま、「季節の擬人化」にとどまっている。
以上をまとめると
?語の選択は「詩っぽい」既製品が多く、一次的な言語の切迫が弱い。
?音韻は読点頼みで、身体的な韻律としての構造がほとんどない。
?転換は「情緒的なオチ」にとどまり、言語の構造を変えるほどの跳躍
がない。
?比喩は多いが、互いの関係が浅く、最後に説明的な「冷酷な素顔」で
台無し
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