こみち行く/リリー
 
 陽のあたる
 名前も知らない神社のわき道
 側溝を覆い隠す熊笹の
 枯れて葉の縁が白くなる隈取りに
 春へうつろう植物の
 地力を感じてたのしくなる

 ぽつねんと浮かび
 ふいに消えてしまいそうな月を見て
 いつだったか
 鳥かごから逃げてしまった
 賢い白文鳥を思い出す

 一人分の歩隔だけ刈り取られ
 あちこち顔をのぞかせている砂地
 うつ向いたままの枯れ草たちは、
 人めの知らない営みをうたっている
 霜に打たれる沈黙も
 やわらぐ日ざしに包まれる憩らいも

 ぬくぬくとした土にくるまれた
 花壇の球根とは描かれる
 いのちのレシピが違うだろう
 赤子の夢の様な幻景から醒めて
 成長する花も美しいなら

 こんな道端に根ざし
 刈られたり踏まれたりする季節を
 巡りながらその生命力が
 冬の静寂を破る野草も、またけなげだ
 
 
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