雪と心/杉原詠二(黒髪)
ざるを得ない
私たちの見てきた恩寵
思われるものは
幻の理想ではなく
現実存在として
つながりとして残って
いつまでも光輝く
そして私たちの心は
痛みも喜びも経験してきたから
それを認める大きな度量を
手に入れつつある
私をその手で抱きよせてよ
そして静かに眼を閉じさせて
そして手で頬をはさんで
私の唇に口づけて
心理が真理に触れる瞬間――
体で真実を確かめさせて
生まれて初めての口づけだ
純粋な心であなたと
あなたの心を得ることが出来ないならば
せめて契約で縛って
瞬間を永遠にしたい
真っ白な雪原の上で
ひとつになりたい
太陽がやさしく見守っている下で
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