三十分、闊歩するこの世界が/ひだかたけし
言葉少なに語り出す
小春日和のこの一時、
ぱたぱたぱたぱた
歩みを止めず
今、ひとり在る充実
味わいながら
両眼しっかり見開き
軽々足を運び進む
ひんやり風の
両頬を撫ぜ包み
この世界にいき渡る
気の充実も止むことなく
眼前に拡がる畑の大根、
にょきっと畝から顔を出し
真っ白なその相貌 、
透明な気のサーチライト浴び
あゝなんて初々しいこと
言葉少なに語り出す
私と云う意識の舞台に
世界の在ること展開され
吹き続ける風、運ばれ続ける足
気付けば
煉瓦が
アスファルトに
置かれたままの様
病院ハ
あともう少し ト
途端、
赤茶色に燻み
霞んでいく世界の
直方体に固まりながら
急速に縮まっていく
外へ外へ外へと
音信不通になりながら 、
急速に私から離れ隔てられていく
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