詩作/夏井椋也
 

こっそり
言葉を綴る

背中から這い上がってくる言葉を
鳩尾にぶら下がっている言葉を

こっそり
言葉を綴る

毛細血管が吸い上げた言葉を
消化して易しくなった言葉を

こっそり
言葉を綴る

降り積もるような静けさでいい
誰にも気づかれなくていい

それほど広くないわたしの世界を
ほんのりと彩るために

取るに足らないわたしの呼吸を
ゆったりと整えるために

こっそり
言葉を綴る

時々
あなたのために

それ以外は
わたしのために



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