メモ3(今のこと、音楽、人間のこと)/由比良 倖
 
は細胞とは比べものにならないほど単純だ。人はいろんな音楽を日々大量に作っているけれど、細胞は、未だたったの一個だって作ることが出来ない。しかし、現に世界には細胞がある。

ものすごく複雑な細胞が先に出来て、その後に副産物的に、単純な音楽が出来た、と考えるのは、不自然だと思う。音楽や感情という概念が先にあって、生物は、謂わばスピーカーのようなものとして後から産まれたのではないか? つまり音楽は人間の副産物なのではなく、音楽が先にあって、副産物として人間が産まれたのではないか?

それが絶対に正しいとは思わないけれど、僕は、そう考えるのが好きだ。例えていうなら、音楽と言うものが存在しない世界に
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