メモ3(今のこと、音楽、人間のこと)/由比良 倖
こで人生をやり直したくもない。人生は、この、僕の人生だから。僕とはこの世界に於ける、僕が僕だと認識する世界の拡がりのこと。音楽が好き、というのも含めて僕だから、異世界に行って、ニック・ドレイクの音楽が聴けなくなったら、もしかしたら、少なくとも僕が自然に僕だと言える僕は、そこにはもう、いないかもしれない。デジタルが嫌いな訳じゃない。インターネットという仮想の空間も好きだし、VRだって好きになれるかもしれない。でも、物としてちゃんと存在するCDが好きだし、究極のところレコードで音楽を聴きたい。
空間はデジタルだろうか? 光度の変化は、ものすごく細かく見ればデジタルなのらしい。つまり、本当は段階的
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