用意/スナ
と思う。
一個しかないわたしを埋めたいのです
身体という状況で
笑顔を作り終えない完成品の上
状態として
一眠りしたい。
板倉は云う
たくさんの
いやーっ
ええ、たくさんの
誰も座って居ない
椅子が、ええっ、そーっ、走って居ります。
突っ走って、居ります。
ボクじみた私には
板倉は、板倉にちがいないと
しか思えてならない。
空席しかない
その疾走に
わたしは、いたしかたなく
腰を沈める約束を
かつてしたように
その時、思えた。
「用意周到ですね…」
独特な、あの鼻声で
空間に、一語一語
打刻される用意周到
これって
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