スローイング婆と食パンをついばむバードたち/菊西 夕座
 
よたかまる昂奮をおさえきれなくなって腕をふりあげる角度が80度ちかくに上がってくると、ニンニク臭にまじって加齢の汗まで噴きあがりはじめ、収集のつかなくなったもろいパン屑と狂喜、黒と白の入り乱れた騒擾の羽ばたき、具ァ具ァという叫喚といっさいを嘲笑うダミアンのだみ声、絶縁をつきつけながらも陽気さをます太陽と、疲労困憊で腕をふりあげても水辺まで飛ばなくなった白い残骸、ついには底をつきはじめて細かい粒状になりすぎてしまった粉屑、しだいに怖くなって遠巻きに不審の視線をあびせるやじ馬たち、それでもまだよれよれのビニール袋に手をつっこんで狂熱の残りカスをつかもうとするしおれた五本の硬い指、しまいには素浪婆の腐り
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