あゝぼくを助けてくれ!/百(ももと読みます)
 
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 ぼくは、よわよわしさの大木なのだろうか。からだのくたびれにバスのなかで気がついた。ゆうらりとした振動のなかで、ふと、生きているふりをしたいだけなのかなというきもちになって、鬼滅の刃の童磨という鬼のキャラクターと似たこころのなさを実感した。



 ほんとうは、ずっと以前から知っている。ぼくのなかのどうでもいいものが、どうにでもなれっていう合図で、ゆびをぱちんっとした瞬間に世界ごと霧のくずとなっても、ぼくはくずのままでわらいながら消えちゃって、霧のなかで迷子になって。



 最後の最後で、愛しているよって、言葉の意味も知らないままのまるはだかの言葉が意味の全てを無と
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