ひととおりの眦と/あらい
鱗を航むる翼よやけに、おまえは胸をうつほどに萎んだ爪に溺れきりちぎれた蛹でむき出るまえに時を宿した。それから古びた建物にぽつりと灯る短い時間がひとしきり、ノイズと見つめ合う、そのときに、どのように文明に砂煙にいにしえに咲かれ、乱暴に仙花紙を覗き込んで、これら多面体の後世と漏れた先で透きとおっていって、けど崩れだした濃淡と足跡をたどりそれにも拘わらず、抑揚がつながると、
ひたすら祈っていて
ふらふらとうずくまる(弾みは、)
余波(なごり)。渦巻く質量も他界した常闇は気弱に彩雲をのぞいては 僅かにふるわせたものがお通りになるそぶり。散華している炎が曲がっては添うように、もうすでに十字
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