あとに夢も間に/弥生 陽
 
ところどころ
あんな怖いした春は
洗面台のどこかで
潮ふきしては
この令和な
とても 令和な
大正をくり返しては
また夏になる

小声で君は
僕らじゃないと言った
キムタクを間違えてさえ
その木漏れ日に
不確かな不完全燃焼を揮発する

誰ですか
知らないままに捕まった尊師
ほんとうだった尊師

味噌汁の加減でさえ
そこらの夜のまたたきには
どうもつれてゆかれないみたいな
君のかつてのおもかげ
測りっぱなしの 最中にも
かなり複雑な
どこかしらへ運ばれた歓び
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