希望のなみだ《改》/秋葉竹
 

 

おぼえて
いなければ
ならないものだ。

それは、

ぼくなんかの
くろい手では
つかめない。

そんな
はかなげなゆめなんて
とっくに
とおりすぎてしまったから

きみの笑顔はかわいている、

こどくなんて
きれいに
かんそうしてしまっている、

極寒のかぜにふかれることばのそこに
じっとすわりこみながら。


ほら、
蒼空いろのなみだ
そのほおにつたわる希望を

そのとき、

ぼくはたしかに
きみのつたえる希望をみた。


むかしなら、はるかとおかった
ツンドラの森を
きずつき
しっそうする

きみの
さいごの
希望のなみだが
もえさかる
たいようよりも
あたたかかったんだ、

きっと。

おぼえて
いなければ
ならないものだ。

ぼくのためでなく、
きみのためでもなく。







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