痣/
花形新次
ふと見ると
腕に痣が出来ている
何処かにぶつけた記憶もないのに
紫色に内出血している
何度考えても
出来た理由が分からない
そのうち
どうせ直ぐに治るだろうと
考えるのを諦めてしまう
そんな風に
身体中痣だらけになるまで
放っておくのだ
やがて痣は
身体を突き抜けて
精神にまで及ぶことになるのに
気付いたときには
もう手遅れで
精神は赤黒く変色して
腐る寸前になっているのだ
あはは、お気の毒様、俺
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