religion/ホロウ・シカエルボク
 
疑問を感じ続けていた、だからおかしなやつだとよく思われたよ、でも俺は自分の方がまともなんだと考えていた、そしてそれは正しかったと―とんでもなく正しい認識だったと歳を取るごとに実感しているよ、そう、結局のところこれは、ひとりで生きることを選択するかどうかという問題なんだ、俺はひとりで生きること…それはつまり自分の為に生きるということだ、ひとりきりで生きるという意味ではない、自分自身の思考と感覚で選択したものを吟味しながら生きるということだ、自分の為だけのアイデンティティを持ち、必要なもの以外には耳を貸さず、常に自分で行先を決めるということだ、そこには必ず前例が無い、俺は、俺の前にも後にも生まれていな
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