陽はまたのぼる/秋葉竹
罪が確かに罪ならば
罰があとから刺さるから
レ、ミゼラブルのジャンバルジャン
呆れて笑ってくれるだろう
ひとりで生きていくことが
幻想だって知っている
昨日や今日の悲しみで
ひとを憎めやしないこと
八犬伝の玉梓が
怨霊だって悲しくて
悪いひとなどいやしない
なんて嘘さえ信じたい
罪が確かに罪ならば
罰があとから刺さるのに
勧善懲悪なんて嘘
物語でしかみたことない
ひとは確かにひとなりに
希望も夢も持つでしょう
夜は冷えますしんしんと
ひとりの部屋は寒すぎて
世界がいつかやさしさに
くるまれる日を待ちながら
そうしていっしょう生きてゆく
そうして生きればまた陽はのぼる
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