テーブルの上の記憶/
花形新次
いつの間にか
テーブルに置かれて
固くなりつつある
パンのように
いつか誰かが
どうにかすると思っていて
何日も経ってしまう
そんな記憶の数々のなかに
本当に大切なものは
なかったのか
あったとしたら
それはとても怖いことではないか?
つらい感情は
いつも遅れて
やってくるのだから
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