バス停のそばに/佐名田纓
 
1.

神よ あなたの存在を示してください
あなたの力で 私を屈服させてください
あなたが その力を示してさえくれれば
私は従順なしもべとなり あなたと伴に歩いていきます

2.

目的とは 敗北のことなのだ
人生とは 自分よりも偉大な存在に
道を譲ることなのだ

それは ときどき父であり
それは しばしば母であり
それは 多くは我が子であり
あるいは また多くの場合
状況そのものや 偶像かもしれない

ある存在へ 全存在的な敗北を認め
人生の方向性を その存在へ向ける
その敗北が 安定しているほどに
しもべは 安定した存在になる
その敗北が 不安定で
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