血は流れ続けながらすべてを飲み込む/ホロウ・シカエルボク
 

酩酊を思わせる振動がずっと続いていた、思いつく限りの暗色をすべて混ぜ合わせたみたいな空の色だった、何処かでずっと俺のことを見つめ続けている目があるような気がしていた、でもそんなことは別に初めてじゃないし、そんな感覚が本当に何か脅威となるような出来事などこれまでに一度も無かった、でもそれはこれからも起こり得ることではないという証明にはならない、だから俺はそれについてどちらとも言うことはない、そもそもどちらでもいい事柄でもある、とても省略された運命のようなものだと言えばそんな気もしてくるというものだ、占い師に訊いてみてもいいが、それがあてに出来るかどうかというのは気象予報士に明日の天気を訊くのと大
[次のページ]
戻る   Point(1)