爪で書かれたラブレター/花形新次
高校時代
自称詩人から
自称詩をおくられたことがあります
私は自称詩人が
とても気持ち悪いと
思っていましたので
きみの気持ちには応えられない
と言ったところ
シクシクと泣かれたことがあります
その時はそれで済んだのですが
少したってから
靴箱にカセットテープが入っていて
何だろうと思って聴いてみたら
中島みゆきの「うらみ・ます」が
60分間入っていました
ドアに爪で書いていくわ
やさしくされて唯うれしかったと
やさしくした覚えは
これっぽっちも無かったのですが
とにかく不気味で
26年経った今も
いつ酷い目に合わされるかと思うと
不安で夜も眠れません
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