スタンプ/
栗栖真理亜
肌を撫でる冷たさ
体の奥から吹き抜ける風
髪も服も揺られて飛び去ってしまいそうな
微かな土の香りが乾きを呼び起こし
懐かしい枯葉のなる音を思い出す
自転車のカゴに入れた買い物袋は
買ったばかりの商品で溢れ返り
ペダルを漕ぐたびに振動を利用して
カゴから飛び出してやろうと躍起になる
坂道を踏ん張りながら上る蟻は
緩やかに続くアスファルトを
黒いゴムでスタンプする
耳元で囁く快調な音色に揺られながら
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