思い出/
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のものではない
私達はいつかまたひとつに還れるのだと
私を私たらしめているものは
それを一つの願いだと言う
舌に残る珈琲の苦味
喫茶店の灯火
店員達のお喋り
添えられたカトラリー
それを一つの願いだと言う
私
手の平の上に転がった水星をあなたにあげる
いつかこの海が干上がったら
イルカ達の笑い声を思い出して
あなたが生まれてから
初めて雨が降った時みたいに
私を私たらしめているものは
その日の思い出なので
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