見えているのなら難しくない/ホロウ・シカエルボク
な人間なのだと、それを無条件に受け入れて生真面目に頑張っている連中のことが気持ち悪かった、彼らはそういうものにきちんと従いつつも自分は牙を持っているのだという風に装っていた、留年もせずに卒業したパンク気取りとか居たよ、まあそんな話は全然関係がないんだけど、俺はずっと生きることについて考えていた、確かな手段を手に入れるまではそれは死にたくないからだったような気がする、小蝿のように付き纏ってくるそれを何とかして振り払おうとしていたのだ、少数の人間だけで短い芝居を何本かやった、そのあと、ちまちまやっていても駄目だと思って文章を書き始めた、場所を選ばない、時間を選ばない、道具が要らない、その上で即興的に、
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