WONDER2?/『大台風二十二号,,』)本編/ひだかたけし
 
決壊し市内に海水の流れ込み
   硝子戸を破壊し無数の瓦降り頻り
   命からがら隣のアパートへ逃げた
   私の五歳時の土佐の大台風の記憶
  この東京にて鮮やか蘇り襲い来ると
 いよいよ再び二度三度の秩序崩壊

 ほら、誰かが何ものかがお前を観て居るよ
 ぶるぶる震え神様に祈り命乞いした恥辱を
 意志存在から新た改め自分を創り出さねば
 眠る意識の死の門潜りそのまま何も解せず
 死したも同然只々退屈なまま過ごすのみと
 警鐘鳴らし遠去かりまた近付き来る律動の

おお、想わず眼を見開き硝子戸開ければ
夜陰棚引く白雲の途切れ満月微笑み薄っすらと

嘗て死した私からの今に生きる私への贈り物として受け取る 、
意識の私の奥処 無意識なる私そのもの個性の眼差しの巨大なる静かさ

日々平穏に日常過ごす意識を滑らかなぞり 冷ややか撫でてはやがて宙に去る










?My Bloody Valentine『m.b.v』所収同名曲より借用




戻る   Point(5)