真実はまだまだはるか彼方に/足立らどみ
 
他者との衝突・葛藤:アンチテーゼ(否定)
? 自己主張:ジンテーゼ(関係性を通した成熟した自我)

この流れを経ることで、人間は初めて「社会的存在」になる。
つまり、自己主張とは“他者を否定しない自己中心”の再定義なのです。

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もし政治的に言い換えるなら、
「自己中」は権力の独占、
「自己主張」は自由の共有、
そしてその間にあるジンテーゼは対話による公共性の生成です。

ヘーゲルは「理性は現実的であり、現実的なものは理性的である」と言いました。
自己主張とはまさにその“理性的現実”の姿であり、
単なる意見表明ではなく、他者との世界を共同で構築する行為なのです
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