真実はまだまだはるか彼方に/足立らどみ
 

自己中が「他者を消す」なら、自己主張は「他者を前提にしている」。

?

?哲学的に見ると

哲学的に言えば、
自己中は「他者の不在」からくる孤独な独我論の病。
世界が“我”を中心に回っていると信じる、カント以前的な幼稚な自己意識の残骸です。
他者を“自分の物語の登場人物”としか見ていない。

対して自己主張は、
他者を前にしても「沈黙しない」勇気です。
ハンナ・アーレントが言う「公共性(public realm)」の中で、
自分の意見を表明することは“政治的行為”そのもの。
つまり、自己主張とは「他者との関係を前提にした自己表現」。
そこに倫理が生まれる。

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