耳/秋葉竹
それまであじわったこともない
黄金の午後の愛の結晶がふり注ぐなら
ゆりかえす悲しみの心の裂傷も
その傷口も激痛も孤独の占拠率100%も
奇跡が起こるみたいに癒してくれる
かもしれないね
スマホを持たないと
心がスースーする心細さも
ビル街をとぶ夏の虫みたいにすこし浮いてる
『浮くことは
さみしいことじゃない』
煉獄の愛の言葉を
そっと
そっと
君の耳の中に舌を入れるように
そっとそっとそっと
『浮くことは
さみしいことじゃない』
この言葉を君の耳の奥まで突き刺すさ
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