朝の夢の果て/秋葉竹
重力に逆らうように
ベットからズレずに起きる
スマホを流れゆく画面から
ヨーシャンクのビールを飲む動画が
なにかを悟らせる
とにかく冷水を飲もうと
あしもとを確認しながら歩き出す
知能が高いフリをするのは
疾しいから二度としない一生の誓い
ミッドナイトセレナーデに
くるまれながらお散歩したのは夢の中
そんな瓦礫みたいな名前の記憶を
ぷにぷにの雛子のように大事にして
知ったかぶりやら馬鹿晒してやらで
感情で身を切って笑っている
冷凍室を開けてから覚めそうになる
ここじゃないんだからと床をみる
悲しさのない喜びなんて
カレーの入ってないカレーパンみたいだから
悲しみの入った冷水を飲むだけ
朝のルーティンまるで汚れびとみたいな
顔に冷水を浴びせるまでの夢の延長の作業
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