整えた銃なら当てることは難しくない/ホロウ・シカエルボク
ろうさ、そういうことにかけては俺の目は曇ることがないんだ、いつだって自分がなにをするべきかはわかっていた、それにはとてつもなく時間がかかるだろうことも、だからそう、なにも出来なくても無駄に歳を取ることだけはやめようと思ったんだ、自分の為に生きるならそれ以外のことは信じてはいけないと思った、だってこの世界は、自分の為に人生を生きる仕様にはなっていないじゃないか、草食動物のように群れて同じものを食って同じ場所で眠って、強い敵からは逃げ回る、そんな連中が言い訳のように構築した常識とやらでがんじがらめになっているそんな世界、そんな場所で自分の為に生きることなんか出来るわけがないだろう、飢えてもいいと思った
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