整えた銃なら当てることは難しくない/ホロウ・シカエルボク
いつかこの命の中に潜むものを白日のもとに曝さねばならないと気付いたとき俺は自分が生まれて来たわけを知った、たくさんの言葉が繰り返された、たくさんのシチュエーションが構築されては洗い直された、かたちの在り方、かたちの在り方が延々と模索された、それがすべてではないことはわかっていたけれど、それが出来上がらなければなにも始まらないだろうこともわかっていたのだ、前例の無いもの、見本の無いもの、テキストに成り得ないものに自分が挑もうとしていることは理解していた、けれどそれが具体的にどういうものなのかを把握するのには随分と時間がかかった、俺は始め、こんなに時間がかかるものだとは考えていなかった、勢いだけで
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