闇のうた/秋葉竹
がら近くの山へ帰る
そして渓谷の清流を飲んで
スヤスヤと安らかに眠り明日に備えるんだ
数分後訪う夜の底に似合う黒猫
驚くほど柔らかい濡れたような毛なみ
その黄色い目はキラリと光り
今夜をどうして遊び尽くしてやろうかって
挑むような笑顔で音も立てずに歩く姿
手を伸ばせば幸せが
幸せがすぐそこに手が届く距離に在る
心の海を泳ぐ魚が
心の底をとてもゆったりと泳ぐ夜は
なにもかも愛せる
なにもかも忘れられる
生きている罪のことなんて
はるか遠くに置きっぱなしにできる
そんな夜だから
とても嫌いだ
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