真昼の月/りつ
 
白くかそけき真昼の月が
夢見る刃となってぼんやりと揺れる
  ((切り裂いてしまいたい男がおりました
   ((折れてしまいたい私がおりました

祝福されなかった生まれたての胎児のような想いは
虹となることが無い天気雨の根元に埋葬されている

あんまり儚すぎるので
私の泪を編んで1輪の赤い曼珠沙華と為し
枯れるまで真如を歌おうか

      嘘?
    違う
          解らなかっただけ
      まことが

二度と戻らぬ一瞬が永遠ならば
私は愛しさだけを花き抱き

   汝がために咲き
      汝がために散る

それが祝福でも呪いでも
約束の指輪を捨てられないのなら
指ごとちぎって儚い月に誓う

生涯あなただけなのだと

真昼の月よ  果てしない幻よ
触れ得ぬものを愛した私の頑なさを愚かと憐れむか

仮初は
もう 
   
       いらないのだよ

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